ビーイングバリュー経営を実践するための10の美意識
2021.06.30
「世の中の風通しを良くする」
~風通しを良くするビジネスとは~
風は、エネルギーの流れ。
循環するエネルギーです。
風通しが良いビジネスとは、
循環をつくるビジネス
循環するビジネスです。
先日、再生可能エネルギー関連の事業を
やられているK社長とお会いした時のこと。
SDG’sにも熱心に取り組まれ、
行政からもSDG’sのモデル会社として
取り上げられています。
まさに、風通しをビジネスにしていると
言ってもいい会社さんです。
ところが、K社長から、
いやー、お恥ずかしい話なんですが、
以前は、循環なんてまったく考えずに
この事業やってました。
えっ、どういうことですか。
実は、縁あってSDG’sに取り組むことにした際に、
いい機会だと思い、自社の事業を見つめ直したんです。
一体、何のために、この事業をやっているのか。
自社の事業の価値は、一体何なのか。
それまで、そうしたことを改めて考えずに、
走り続けてきました。
もちろん、お客さまのお役にたつことを
常に意識して事業をやってきています。
ただ、目の前のお客さまは見ていましたが、
社会全体の循環という意識はあまり持てていませんでした。
なので、事業計画も、過去の実績を踏まえた数値目標でしかなく、
社会的な中長期の視点とリンクした目標ではありませんでした。
いざ、社会にとっての自社の価値を改めて問うてみると、
明確に応えられない。
事業自体に価値はあっても、自社じゃなくても良い訳で、
自社の価値だとは言い切れない。
これは、衝撃でした。
今まで何をやってきたのかと。
社会の一員でありながら、社会の循環という意識を
持つことなく事業をしてきた。
社会の循環という中での自社の位置、自社の価値と
いうことを考えずに事業を行なってきていた。
その年の年末年始、年越しで考えに考え抜きました。
自社の価値は何なのか。
何を目標に事業を進めていけばいいのか。
循環経済という視点での数値目標とは何なのか。
国の方向性、世界の方向性など、
参考資料をかたっぱしから調べました。
そこで、これだと見定めたのが、
地元行政の再生エネルギー利用率の目標数値でした。
自社が所属する地元行政が掲げる目標数値の中で、
自社のシエアはどのくらいを占めるのか。
単なる努力目標ではなく、実現可能な数値を定め、
その数値が地域の中で占める割合はどれほどなのか。
算出してみて、はたと気づいたのが、
自社だけでやっていてはダメだという結論でした。
地域の目標数値を達成するには、
同業者全体で取り組まなければ達成できない。
そう考えると、同業者は単なるライバルではなくなります。
共有する全体目標を達成する同志となります。
この考えをもって、同業者に声がけを始めました。
賛同する者、しない者、ばらつきはあります。
政治的な動きをしようとしているのかといった、
何を企んでいるのかといぶかしがられることもありました。
賛同する者を集めて、ネットワークをつくり、
行政に対し、全体目標達成に向けた行政支援を要請しました。
補助金の適用など、行政の協力があるとなしでは、
事業展開は大きく異なります。
良いことであっても、何か新しい動きを起こそうとすると
規制の壁が立ちはだかります。
行政の協力が不可欠です。
その際に、1社の声では行政もなかなか動いてくれないものも
数の力をもって動けば、壁も動きます。
今や、モデル的な取組みとして、行政の評価をもらい、
全面的な応援を受けるまでになっています。
競合であるメンバーが力を合わせることにより、
結果的に、世の中の風通しを良くし、
自分たちにとっても風通しが良い状況が生まれる。
あり方を定めた、風通しを良くするビジネスの好事例です。
皆さんのビジネスは、
風通しを良くするビジネスになっていますか。
それでは、今日も素敵な1日を!
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